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白血病になった社長 患者になって気付いたMRの課題

弊社代表の昌原が2012年に白血病になり2014年に社会復帰、闘病中の2年間を、
患者の視点から今の医療、病院についてありのままを伝えるレポート

第7回 ドナーが見つかったとき

私が受けた「急性リンパ性白血病(ALL)」の化学療法は、イマチニブ併用寛解導入療法(A1)、ダサチニブ併用強化療法のAraC大量療法(B1)とCNS予防(C1)という3種類のレジメンを順に行うものでした(第4回、6月1日号参照)。
ひとつの化学療法が終わると、次の化学療法が始まるまで、退院して自宅に戻れます。
私の誕生月の4月には、近所の中華料理屋で家族が祝ってくれました。

私の場合、副作用が少ない優等生と先生に言われましたが、すべてがスムーズにいったわけではありません。
A1レジメンのための入院では、ビンクリスチン(VCR)のダメージで治療完遂間際に軽い腸閉塞が現れ、退院が延長になりました。
また、Cレジメンのメトトレキサート(MTX)の点滴静注は、MTXによる大量投与で腎毒性が懸念されることから、きちんと排泄されているか、チェックのため病室から離れた採尿室まで移動しなければならないのです。
尿量が足りなければ利尿剤が処方されるので、昼夜問わず頻繁にトイレに行くことになります。
そんな化学療法の障壁をひとつずつ乗り越えてきました。

そして、A1、B1、C1の化学療法を終えた時点で、骨髄移植に向けてHLA(ヒト白血球抗原)の型を調べました。
ドナー選定は血縁からということで、私の弟の型を見てもらいました。
ところが、弟とは「6座中2座」が不一致で断念。
ただちに骨髄バンクに登録しました。

骨髄バンクはHLA型の約7割をカバーしていますが「フルマッチ」が基本です。
一座でも不一致だと生着不全が起こる危険性が高まります。
生着とはドナーから移植した造血幹細胞が骨髄のなかに入り込んで、新たな血液細胞をつくり始めることです。
生着不全はこれがうまくいかないことです。
また、GVHD(移植片対宿主病)が起こることもあります。
さらに、ドナーの都合もあるため、待たずに移植が受けられるのは「約半数だ」との説明を受けました。

「昌原さん、見つかりますよ」
先生からはそう励まされましたが、もしドナーが見つからなければ臍帯血移植という選択もあるとのことでした。
骨髄移植は骨髄を採取したその日に移植しなければなりませんが、臍帯血は冷凍保存が可能、そしてHLAも4抗原以上の一致ということで、約9割の患者をカバーすると言われます。

ラッキーでした。
私のケースでは、登録後初回のドナー検索で499人が選び出されました。
そのうち血液型や性別、体格などの条件で3人に絞り込まれました。
「順番に当たってみますから」
移植コーディネータに言われ、報告を待ちました。
そして1人が骨髄提供に同意してくださいました。
それを聞かされたときはホッとしたと同時に提供いただいた方に「本当にありがとうございます」「ありがとうございます」と心の中で何回お礼を言ったことでしょうか。

骨髄移植が決まり、化学療法も3回で「終わりだ」と思っていました。
しかし、移植を待つ間に再びAレジメンに戻って繰り返し治療を行うことを、このときになって初めて聞かされます。
念には念を入れての治療ですが、私の病状はやはり重いのだと思い知らされます。
2巡目に入ればA、B、Cレジメンのどこからでも移植に移れるとのことで、結局、A1、B1、C1、A2、B2と計5回の化学療法を完遂し、13年6月20日に退院することになりました。

すでに12年12月27日の入院から6ヵ月が経過。
ところが、退院直前に思わぬ事態が発生したのです。

医薬経済 2015/7/15

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